あれから1週間

飲み会から1週間が経過した。

結局、結婚祝いは無難にタオルセットを買った。
タオルだけだと寂しいので、花束も買った。
アイツをイメージしてピンク色でまとめた花束。
女性に花束を贈るのは人生初だった。
それなのに、贈る相手は12月に別の男と結婚する。
花を贈ろうと思いついたとき、花を選んでいるときはアイツとの楽しい思い出がよみがえって楽しかった。
綺麗にラッピングされた花束を受け取ったとたん急に恥ずかしくなり、不安な気持ちが広がる。

タオルだけでよかったのではないか
一人舞い上がって何やってんだ
花束を贈ってドン引きされないか

どんどん不安になり、会場に向かう足取りも重くなる。
Nに電話してタオルと花束を渡して帰ろうかと思った瞬間、前方にアイツの姿が見えた。
小走りに距離を縮め、あと少しという所でアイツの携帯が鳴って声をかけるタイミングを失ってしまった。
「あー先輩!!ちょうど今電話したんですよ!!こっちですこっちー!!」
サークルの後輩が目ざとくアイツを見つけ(俺のことはスルー)店に引っ張りこんだ。
一呼吸おいて店に入るとNとアイツがいた。
「おう、お疲れ。結婚祝い買ってきたか?」
と聞かれてビビった。秘密じゃないのか?!
「どうする?今もらう?」とNがアイツに聞いて焦った。

Nが乾杯の挨拶をして飲み会がスタート。
アイツは律儀にあっちこっち席移動して参加者と会話をしていた。
Nが言ったとおり、アイツはキレイになっていた。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、Nが「そろそろお開き」と閉めの挨拶を始めた。
「今日は、ここにいるみんなからプレゼントがあります」
Nの音頭をきっかけに、俺がアイツにタオルと花束を渡し、アイツの挨拶で一次会は終了した。